知人のFacebookのウォールでキーボーディスト小川文明さんの訃報を知りとてもショックを受けている。
東京に出てきたばかりの頃に、武蔵野音楽学院の先生のお勧めの、小川文明さんの参加してたバンド「BlackPage」のレコードを借り、たまたま近いタイミングで新宿のライブハウスでライブがあったのでそれを見に行ったのが最初。
s.jpg)
その時にカバーで演奏していたFrankZappaの「BlackPage#2」を聞き、そのサウンドから受けた、激しいカルチャーショックは記憶に新しい。その後、色々人づてに聞いたり調べたりして(当時インターネットなど一切無し)ようやっと「Zappa in N.Y.」という2枚組レコードに収録されていることが判明、かけずりまわって探したが見つからず…何年にも捜索の旅は続いたけど、最終的には比較的当時住んでたところからほど近い明大前はモダーンミュージックで¥14,000-で発見した時は感動に震えた。その捜索のあいだにずいぶんとZappaのレコードとCDを買い漁り、さんざん聞いたものだった。この小川文明さんの参加していたバンド「Black Page」との出会いがなければFrank Zappaとの出会いすらも無かったかもしれず、もしそうでなければ、どんな今の自分になっているか想像すらできない。
すっかりハマりその後も、BlackPageのライブには渋谷EggMan等に足繁く通ったものだった。
その時に見に行ったライブで、「今日はちょっと変わったカバーを演ります。」との事で演奏し始めたのが…現在Baccabonneでも立岩アレンジでカバーもしてるElsaの「T'en Vas Pas」。当時KbとVoの久保多美子さんの透明感のある声とこの楽曲にまた感動し、終演後に小川文明さんに色々と話しを聞かせてもらい、その流れで「ほんならカセットに録音しておくったげるわ。」と。当時色々とお忙しかったであろうに、しばらく時間はかかったけどキッチリとカセットが届いて、中には確か一筆「楽しんでや〜。」と直筆で書かれてて、まだハタチやそこらの自分にとっては、とんでもない感動と喜びでもあった。
その後、SomethingのジーンズのCMに使われて心臓がドキっ!!ってしたこともあったり、大貫妙子や原田知世が「彼と彼女のソネット」というタイトルでカバーもしたりしてた。
でもやはりどうしても盤自体を手に入れてアルバムとして聞きたて、しばらく後にレコード店を一日で40件近くハシゴしたりもした。探している途中でレコード屋Mapという書籍を発見し、それを見ながらまた次の店に向かう…を繰り返しながら、高田馬場のダイカンプラザの一室のフレンチポップス専門店で「ELSA」のレコードジャケットを見つけた時の感動たるや…いまでこそ、ネット通販でそうとうマニアックなCDも家に居ながら購入できる時代。それも本当にありがたいと思うけど、あの…出会えた感動も素晴らしかったなと。

映画「悲しみのバイオリン」から
https://www.youtube.com/watch?v=R1TEiVav8Dg
大人になったELSAのライブ映像
https://www.youtube.com/watch?v=mjT8moXItKc
お礼…でもなんでもないけど、当時好きだったBlackPageのオリジナル曲を打ち込みで録音して、カセットに録音してキーボードマガジンに送り、それを小川文明さんが自分のコーナーの紙面でとりあげてくれて、「ミスタッチまでコピーしてくれててw…でもすごく嬉しい。」といったようなコメントも書いててくれてたような記憶もあり…なんかイヤなファンだな…オレw
ライブのMCでもUKの「In The dead of night」カバー時に酔っぱらってて、どうしても4拍子になってしまってた話とか、当時大好きだった同じくUKの「The only things she needs」をカバーしてくれたりとか…「T'en Vas Pas」の原曲聞きながら、こんな事書いてたら泣けてきてしょうがない…。
そういえば一度だけKORGの修理部門に居た頃に、急ぎだったのか小川文明さん本人がシンせの修理を持ち込みにいまはもう無い千歳烏山の営業所に来られた事もあったなあ。
直接のコミュニケーションはそんなに多くはなかったけど、こうやってみると色んな影響があったんだなと…こういう文章を書く度に、現在の自分を形成するものって…等という事を考えてしまう。
氏のご冥福を心よりお祈りしております…合掌…